弘法の筆謬り

外資系企業で働く戦略コンサルタントのブログです

外資コンサル流賃貸物件の探し方(第8回)申込み⇒内見

※この記事は前回からの続きです。ぜひ概要編からお読みください。

仲介業者の方と信頼関係を構築し、無事最高の物件を提案してもらうためには時期感も重要です。
これまでの話から、焦って引っ越ししなければならない環境に居る人は良い物件に巡り合うことは難しいということがおわかり頂けたものと思います。

しかし、そもそも時間があっても賃貸物件市場に大きな動きがない時期だと、仲介業者の方に物件を紹介頂こうにも、無い袖は振れない時期というものがあります。

そもそも物件の動きがある時期というのは、住んでいる人に転居のニーズがあるということです。
皆さんご存知新年度の開始時期に向けた転居の多い2、3月によく物件は動きます。

これ以外の時期は、ある程度長期戦を覚悟しておく必要があることは心に留めておくべきでしょう。

申込みをしてから内見にいく

順番が逆ではないかと思った人もいるかも知れませんが、この順です。
良い物件が見つかったら、とにかく内見をする前になりふりかまわず申込みをすることがポイントです。

申込みをせずに内見をしたとして、賃貸物件は先願主義(先に申し込みをした人に優先権がある)ですので、如何に先に内見していようと先に申し込みをした人の勝ちです。

内見をしてからではないと本来、申し込みをしてはならないというのが原則論ではありますが、実際これはほぼ守られていません。仲介業者としても、せっかく借り手候補に内見をしてもらったとしてもその物件が内見中に他の借り手に申込みされてしまうと無駄足になってしまうからです。

つまり、借り手が内見をしたことにして、仲介事業者の方が予め申込みをしておくことの利害が借り手と仲介事業者の間で一致します。

予め申込みに必要な情報を仲介業者に渡しておく

もうひとつコツがあります。予め申込みに必要な個人情報を全て仲介業者の方に提供しておくことです。

前述のように仲介業者と借り手は良い物件を契約することについて利害が一致していますから、一番手で申込みをすることについて非常に協力的です。多くの場合、申込み書を代筆してくれます。

なので、現在の住所や氏名、年齢、年収情報に加え、身分証明証や健康保険証、源泉徴収票のコピー等を全て信頼できる仲介業者の方に渡しておくことは得策となります。

物件を申込みするために必要な情報は多岐にわたりますが、これは各仲介業者事に微妙にフォーマットが異なることが通常ですので、予め問い合わせておきましょう。

こういう事前準備を欠かさないことで、良い物件を提案頂いた瞬間にGOサインを出すだけでその物件の一番手での申込みが叶う確率が高まります。

複数の物件に同時に申し込んで問題ない

ここでもう一つ論点があります。複数めぼしい物件が見つかったときに同時に申し込みを入れてしまって問題がないか?ということです。

仲介業者によっては非常に嫌がられる場合がありますのでコミュニケーションに気をつけたいところではありますが、競争率の高い都内での賃貸物件探しの場合はある程度やむを得ないものと思っています。

実際に仲介業者の方に問い合わせたところ、十数件同時に申し込みを入れる方もいるので問題ないですよ!解答を頂く場合もあれば、2件以上同時に申込みすることはお断りしています、という解答を頂いたこともありました。

法的には何も問題はなく、申込み後にキャンセルをしたとしても特にペナルティ等はありません。しかし例えばスタバで予め自分があらゆる席に自分の荷物を置きまくる人と同じ様なことをしているといえばその通りなので、ある程度節度が求められるところかと思います。

こういう事情ですので実際は、申し込みが入っていても2番手、3番手の申込みを受け付ける物件も多く、いつの間にか繰り上がりで一番手になることもしばしばあります。

複数物件に申し込むときは管理会社に注意

複数の物件に申し込む際の一点だけ注意点として、それらの物件が同一の管理会社に管理されていないかどうか、といったことです。同一の管理会社に同一名義で複数の申込みが入ってしまうと、最悪の場合全て入居審査が却下されるおそれがあります。これだけは避けたいので、できれば気になっている物件の管理会社は事前に調べておくことが必要です。

管理会社の調べ方は少しだけ厄介で、Suumoには掲載されていません。「物件名 管理会社」で出てくることもしばしばありますが、わからないときは仲介業者の方に直接聞いてしまうのも一つの手です。

「9. 契約」に続く