「わかる」のレベル感
物事を「わかった」と表現することのレベル感は、人によって異なります。
それぞれの「わかり方」ごとに一長一短あるので、どれが一番良い悪いという話ではありませんが、少なくとも「わかり方」にはレベル感がある、人によって癖の差があるのだという話です。
わかり方の分類
Lv1. 表面的に定義を丸覚えしてわかる人(Aである。)
何か新しいことに触れた際、それを鵜呑みにしてしまうわかり方です。
物事を表面的に捉え、いろいろな情報をかき集めるのが得意なタイプ。
スピード感にはあふれますが、一方でなぜそうなるのかということをあまり考えるタイプではないので、深い議論ができません。
Lv2. なぜを理解してわかる人(Aである。なぜならA'だから。)
Aである、ということを言われても、素直に納得はせず、なぜそうなるのかという理由が伴って初めて「理解した」というわかり方です。
人によっては、上司から「あまり素直ではない人」というレッテルをはられることもしばしばあります。
物事を深く考える癖がついているという点では優れていますが、Lv1の思考法と意識的に使い分けないと、他の人がスッと流すような部分にも噛み付いてしまうなど、面倒な人になってしまうこともあります。
Lv3. 他との関連を理解してわかる人(Aである。AはBとxxな関係がある)
その定義、なぜそれがそうなるのかということに加え、他のものとの関係性も含めて理解しないと理解した、と言わないタイプです。
あるテーマについて全体マップのようなものを持っており、このマップの中でこの事柄はここに位置づけられる、というわかり方をするものです。
この思考は物事を構造化して捉える際に必要になるものですが、すべての事柄についてこういう理解をしようとすると非常に時間がかかります。
大体の書物や人の話し方というのはこういったものではないので、思考としてはとても負荷がかかります。
例外や反例を理解してわかる人(Aである。Bでも、CでもなくAである)もこのタイプです。
わかり方はひとそれぞれ、理解の早さと深さは相関しない
コンサルファームでも人によって理解の早さは本当に異なります。
「わかった」と言ってもLv1でわかったと言っているのか、「わからない」と言ってもLv3でわからないと言っているのかで全く事情は異なります。
物分りの良い、理解の早い人が賢いとされがちですが、わかり方にはレベル感があるということを考えると必ずしもそうではありません。
Lv3の人がLv1のよりも必ずしも優れているかというとまたそれも別の話です。
求められる理解の深さは職業やシーンによって異なります。それぞれの思考の長所や短所を生かして使い分けられるようになることが最も良い「わかり方」だと考えます。