弘法の筆謬り

外資系企業で働く戦略コンサルタントのブログです

外資コンサル流賃貸物件の探し方(第3回)対象エリアの相場観を得る

※この記事は前回からの続きです。ぜひ概要編 からお読みください。

転居の目的と、それを適える条件の言語化・優先順位付けが出来た前提でお話しします。

ここまでで定めてきた転居の目的に適う物件なら何でもよいわけではなく、当然より安く、そしてその安い中で最良のグレードの物件に住みたいものです。

ということで物件を知りたいエリアの物件の相場観をおおよそ掴んでいく事が必要になります。

物件の相場観を掴む

ここではSuumoを使います。アットホームでもホームズでも何でも良いのですが、Suumoは家賃の検索がやや高額になっても1万円刻みとキメの細かい検索ができる点が特徴です

https://suumo.jp/chintai/

希望条件を入力して出てきた物件をざっと目を通してみるだけでも、やっぱり新しい物件は高い、だとか、駅から近いのに安いと思ったら築40年か、、といった感じで一長一短あることがわかるかと思います。

普通の人はそこまでする人はあまり居ないと思いますが、私の場合はここで全てExcelにまとめていきます。

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Suumoに掲載された物件をExcelに一覧化した例

仮に東京駅近辺に職場があるとして、その近辺に住みたいとした場合を例に一覧化しています。
あくまで相場観を掴むためなので、物件名・住所・沿線/最寄り駅・築年数・賃料・管理費・間取り・平米数・物件の掲載されているSUUMOのURLといった要素のみをかんたんにまとめただけのものです。

およそ100件程度になるように条件をワガママに追加して調節するのがおすすめです。
これがいわゆるロングリストのようなものになります。

実際はこの作業を手作業でやっているとすぐ日が暮れますので、私の場合はExcelVBAを使ったWebScrapingで行うことにしています。

Suumo上で見られるものをわざわざExcelに落としてどうするんだと思うかもしれませんが、これはこの後の工程で真価を発揮することとなります。

これをチェックリストとして舐めるように見るのが良い賃貸物件選びのコツです。

あくまで目的はどの物件にしようかな、ではなくて物件の相場感を掴むことですので、物件の空きがあるかどうかについては今は気にする必要はありません。どうせ良いと思った物件は、ほぼ間違いなく空いていません。この段階では焦るだけ無駄です。相場観を掴むことに集中してください。

 

相場観のない人は業者に相手にされない

日本では賃貸仲介業者を通じて物件を契約することが通常ですが、彼らと対等に話をするためにはこの相場観を持つことが何より大切です。

極端な話、例えば白金高輪は東京の中でも特に家賃相場の高いエリアですが、このエリアで築浅駅チカの2LDKに20万円の予算で住もうというのは無理というものです。

後の工程でこの仲介業者に物件の希望を伝えることになるわけですが、そもそも無理な注文をしてしまうとナメられてしまうどころか、相場を知らないカモになってしまいます。このエリアでこの物件は掘り出し物ですね、と言われてもその真偽が自分ではわからないからですね。

また、相場観がない人は当然ながら、高値づかみをしてしまいます。

同じ物件は2つとして存在しないのが賃貸物件の性質ですが、それは物件の所有者が違えば同グレードの物件でも数万円の賃料が付けられることもあります。
物件をいくらで貸し出すかはオーナーの一存で決めることができるので、同じ値段の物件は同グレードであると決めつけず、本当にその値段の価値が有るのかどうかを考えられるような目を養うことが何より大切だと考えます。

 「4. 候補物件を比較検討する」に続く